ビジネス用語は日本語に直す方が伝わりやすいのですが、なぜか好き好んで使う人が多いですよね。
ビジネス用語に振り回されないようにするために、よく使われるフレーズを確認してみましょう。
記事の見方は、例文→日本語への変換。改行し「説明」をしている構成になります。
あ行のビジネス用語
- この企画、私もアグリーだ。→この企画、私も賛成だ。
反対することはディスアグリーですが、「アグリーしない」と言う言い回しで使われます。 - この企画には、ITに強い人材をアサインしてくれ。→この企画には、ITに強い人材を割り当ててくれ。
- 今日の会議のアジェンダはなんですか?→今日の会議の議題はなんですか?
政治の分野では、行動指針という意味で用いられます。 - 会社の発展のためにはアセスメントが必要だ。→会社の発展のためには人材評価が必要だ。
看護や医療の現場では、患者の状態を評価することを指す時に使われます。 - A社のアセットを調査してくれ。→B社の資産を調査してくれ。
企業がビジネスを行う上で保持する情報やデータベースを指します。 - A社のSさんにアポは取りましたか?→A社のSさんに面会の予約を取りましたか?
アポイントメントを省略しアポと言います。 - 今日の会議では、イシューを明確に議論しよう。→今日の会議では、論点を明確に議論しよう。
論点や課題、問題点を指す。最も重要度の高い課題のことをクリティカルイシューという。 - A社に負けないように、イニシアチブを取れ。→A社に負けないように、しっかり主導権を握れ。
契約交渉などにおける主導権 - 古い考え方を捨てて、みんなでイノベーションしよう。→古い考え方を捨てて、みんなで改革しよう。
社会を大きく変える革新を指す。 - 今回の仕事のインセンティブは。→今回の仕事の報酬は。
仕事の成果に応じて支給される成功報酬や、社内評価を指します。 - 困った時は、上司にエスカレーション(エスカレ)しなさい。→困った時は、上司に対応を引き継ぎしなさい。
業務上で対応しきれない事態が起きたときに、組織の上の人間に報告をして対応を引き継ぐこと - この商品がなぜ売れるのかエビデンスはとっていますか? →この商品がなぜ売れるのか根拠はありますか?
医療業界では、治療方針や薬の有効性、IT業界ではシステムが正常に稼働していることを示すデータをエビデンスといいます。会議の議事録等見える形で残すことをエビデンスを残すなどと思います。 - お願いした仕事はオンスケジュールで進んでいますか?→ お願いしたお仕事は予定通り進んでいますか?
オンスケと省略されて使われます。予定よりも進行が遅れている場合はビハインドと言います。
か行のビジネス用語
- 君は最高のカウンターパートになりそうだ。→君は最高の仕事相手になりそうだ。
対等な立場にいる仕事上の協力を開いて、立場が上の人に対しては、パートナーと言う言葉を使いましょう。 - 何かと厳しい世の中だからガバナンスを強化せよ。→何かと厳しい世の中だから企業管理を強化せよ。
企業経営を管理監督する仕組みのこと。 - クライアントの要望にしっかり応えよう。→依頼主の要望にしっかり応えよう。
企業の顧客や取引先のこと。 - 御社のグランドデザインを教えてください。→御社の大目標を教えてください。
グランドデザインは都市計画等においても使われる言葉です。壮大で長期的な計画を指します。 - 会議では遠慮せずクリティカルな意見を出したまえ→会議では遠慮せず、批判的な意見を出したまえ。
クリティカルとは、「批判的な致命的な」を指す。 - A社との取引は来週にはクロージングしよう。→A社との取引は来週には契約締結しよう。
クローズと言う文字通り、営業活動の締めくくりを表します。 商談の成立割合をクロージング率といい、営業成績を測る指標の1つです。 - 自社のコアコンピタンスを持って競争を勝ち抜く。→わが社にしかないの強みを持って競争を勝ち抜く。
コアコンピタンスには顧客に利益をもたらす。誰にも真似できない。複数の社員商品に応用できる。の3条件が揃わなければなりません。 他社には真似できない強みとして使われる。 - この1カ月間はプロジェクトにコミットせよ。→この1カ月間はプロジェクトに全力を注いでくれ。
目標に向けて全力で取り組むこと。コミットは結果などを約束すると言う意味もあります。 - コモンセンスがないと社会人として通用しないよ。→常識がないと社会人として通用しないよ。
コモンセンスとは、コモンとセンスが組み合わさった用語で共通の感覚と言う意味があります。これが常識や良識と言う意味で使われます。 - 弊社とコンシューマ向けに商品を作りませんか。→弊社と消費者向けに商品を作りませんか。
コンシューマは、製品などを最終的に利用する個人の消費者を指します。似たワードのカスタマーは、顧客や取引先などの購入者と言う意味で使われます。 - A社に予算のコンセンサスを取っておきたまえ。→A社に予算の合意を取っておきたまえ。
コンセンサスとは、複数人が合意することを指します。また、全会一致で決める会議をコンセンサス方式の会議といいます。 - 社員の評価基準を明確にするためにコンピテンシーを分析しよう。→社員の評価基準を明確にするために行動特性分析をしよう。
コンピテンシーとは、優秀な人に共通する特性を指す。コンピテンシーを評価基準とする人事評価をコンピテンシー評価といいます。
さ行のビジネス用語
- わが社も節電を実施してサステナブルに行くぞ。→わが社も節電を実施して、地球に優しく行くぞ。
サステナブルとは持続可能なを表す。企業活動において、社会的責任を果たすことで、持続的に事業を展開すると言う意味。 - この資料のサマリー作っておいて。→この資料のまとめを作っておいて。
サマリーとは、文章の内容や要点をまとめたもの。学術分野では、要約のことをアブストラクトといいます。上司や先輩に会議の内容さまっといてと言われた場合、会議の内容をまとめておいてと言う意味になります。 - 御社と弊社が協力すればきっとシナジーが生まれるはずです。→御社と弊社が協力すればきっと相乗効果が生まれるはずです。
シナジーとは複数人の連携が生まれる良い相乗効果を指します。逆にマイナスの相乗効果のことを といいます。 - 電子化が進んで出版業界全体がシュリンクした。→電子化が進んで出版業界全体が縮小した。
シュリンクとは市場が縮小することを指す。化粧品に包装されているフィルムもシュリンクといい、熱を加え縮小させているところが同じです。対義語は、スケールといい、市場などが拡大する事を指します。 - 取り寄せた商品がショートぎみだから発注を頼むよ。→取り寄せた商品が不足気味だから発注を頼むよ。
ショートとは資金や商品の在庫が不足することを指します。期間や距離等が短いと言う意味も含まれます。金融業界では為替取引なので、ある通貨を持ち売りする状態のことをショートポジションといいます。 - 早く新規事業のスキームを構築しよう。→早く新規事業の枠組みを構築しよう。
スキームとは、枠組みを伴った計画や枠組みそのものを指します。枠組みだけではなく、悪巧みや陰謀と言う意味もあります。 - 顧客名簿の古い情報はスクリーニングしよう。→顧客名簿の古い情報は、ふるいにかけよう。
多くの対象の中から条件に合うものを選び出すこと。金融の分野では条件に合う銘柄を探し出すこと。ITの分野では、データやユーザをふるいにかけることを指します。 - ステークホルダーの声を無視する企業はすぐに淘汰されます。→利害関係者の声を無視する企業はすぐに淘汰されます。
ステークホルダーとは株主社員顧客等の利害関係者を指します。 - ビジネス用語ばかり使う人ってスノッブですよね。→ビジネス用語ばかり使う人って中身がないですよね。
教養人を気取った俗物的な態度をスノビズムといいます。 - 部長ってほんとゼネラリストですよね。→部長ってほんと万能な人ですよね。
ゼネラリストとは幅広い分野の知識や能力を持つこと。語源である、ジェネラルは全体的な、全般的な、と言う意味を持つ。対義語はスペシャリストで、特定分野に深い知識を持った専門家を指す。 - 話がまとまらないので、一度ゼロベースで考えましょう。→話がまとまらないので一度白紙に戻しましょう。
ゼロベースとは白紙に戻すことを指します。前提知識や思い込みにとらわれず物事を考えることをゼロベース思考といい、対義語であるトレンド思考は、過去の実績や前例をもとに考えることを指します。 - 顧客の課題に対するソリューションを見つけなさい→顧客の課題に対する解決策を見つけなさい。
ソリューションとは解決手段を講じること。ビジネスやサービスで抱えている問題を解消することを指します。顧客との対話を通して、顧客が抱える課題の解決策を提供することをソリューション営業といいます。
た行のビジネス用語
- プロジェクトの成果が出るまではロングタームで考えていくべきだね。→プロジェクトの成果が出るまでは長期間で考えていくべきだね。
期間や期限、用語を指します。「中期間をミドルターム」「短期間をショートターム」「テクニカルタームは専門用語」を指します。 - ダイバーシティーあふれる企業を目指そう。→多様性あふれる企業を目指そう。
ダイバーシティーとは、年齢や性別、人種、宗教などの多様性を指す。多様性を認め、個を尊重することをダイバーシティー&インクルージョンといいます。 - 今日中に3つのタスクを処理してください。→今日中に3つの仕事を処理してくれださい。
タスクとは仕事、作業、課題などを指し、仕事を構成する最小単位を言います。2つ以上のタスクを並行して進めることをマルチタスクといいます。タスクがいくつか集まった大きな計画をプロジェクトといいます。 - 業績を向上させるべく、ドラスティックな改革をやっていこう。→業績を向上させるべく、抜本的な改革をやっていこう。
ドラスティックとは思い切った、抜本的な、を表現し、価値観を根底から覆すような状況を指します。類語として根源的で本質的な、と言う意味のラジカルがあります。 - 資料のトンマナを合わせておいてください。→ 資料に一貫性を持たせておいてください。
資料や広告ウェブデザインの一貫性を指します。
な行のビジネス用語
- 部署内でナレッジを共有しよう。→部署間で情報を共有しよう。
付加価値の高い知識や情報を組織全体で共有し、活用することをナレッジマネジメントと言います。知的生産物を生み出す人をナレッジワーカーと言います。 - 市場拡大のためにニッチな分野を攻めよう。→市場拡大のために隙間の分野を攻めよう。
需要のある競合の少ない市場を指します。 - 最近はうちもノマドの人増えてきましたよ。→最近はうちもいろんな場所で仕事する人増えてきましたよ。
ノマドとはいろいろな場所で働くこと。遊牧民を表すノマドが由来となっています。遊牧民のように場所を移動しながら働くスタイルを、指しています。 - 本日の会議は先日のノーティス通りです。→本日の会議は先日のお知らせ通りです。
ノーティスとはお知らせ。
は行のビジネス用語
- 新規事業を考える時、バイアスをかけてはダメ→新規事業を考えるとき先入観を持ってはダメ。
バイアスとは先入観や思い込み。 - このバジェットではプロジェクトの進行を許可しない。→この予算ではプロジェクトの進行を許可しない。
バジェットとは、予算や経費。形容詞として用いる場合は、低価格と言う意味になります。 - パスワードが飛び交う会議では意思疎通は図れない。→曖昧な言葉が飛び交う会議では、意思疎通は図れない。パスワードとは意味が曖昧な用語。
- 工期にはバッファを持たせているので、問題ないです →工期には余裕を持たせているので問題ないです。
バッファーとは時間や金銭、人員の面での余裕。緩衝材を意味するバッファーが語源。 - 中途社員を採用するときは、ビジョナリーを採用しよう。→中途社員を採用するときは、先見の明がある人を採用しよう。
ビジョナリーは、将来を見通し、考え現実化できる人。長期にわたって繁栄する会社をビジョナリーカンパニーといいます。 - 今日の会議のファシリはAさんにお願いします。→今日の会議の司会はAさんにお願いします。
ファシリは司会をすること。ファシリテーションの略語。 - 来週には企画書をフィックスしてください。→来週には企画書を完成させてください。
フィックスとは決定、確定すること。 - 取引が成功するよう先方にプッシュしてくれ。→取引が成功するよう先方に働きかけてくれ。
人を役職に推薦する場合もプッシュするといいます。 - ビジネスは積極的にブルーオーシャンに飛び込んでいこう。→ビジネスは積極的に競合のいない市場に飛び込んでいこう。
ブルー、オーシャンとは、競争相手がいない市場を指す。 - A社に投資すれば、潤沢なキャッシュフローが期待できます→A社に投資すれば、潤沢なお金の流れが期待できます。
フローとは何らかの流れの事。ワークフローは仕事の流れ、キャッシュフローはお金の流れ、データフローは、データの流れなどを表します。 - トラブルが生じたのでこの仕事、ペンディングでお願いします。→トラブルが生じたのでこの仕事、保留でお願いします。
ペンディングとは物事を先送りにすること。もともとの英語であるペンディングにはぶら下がると言う意味があり、そこから転じて中ぶらりんの「保留」と言う意味で使用されるようになった。 - わが社のボトルネックである人材不足を解消しなければ。→わが社の障壁である人材不足を解消しなければ。
ボトルネックとは仕事の生産性を低下させる要因を指す。大きなボトルでも、その首が細いと出る水の量は少なくなることから、ボトルネック障害などと訳されるようになった。
ま行のビジネス用語
- マーケットインでこれからのビジネスを考える。→需要をもとにこれからのビジネスを考える。
マーケットインとは市場の需要を基準に製品を作ること。逆に自社でできることから、事業などを考えていることをプロダクトアウトといいます。 - 今回の取引は、マージンが大きすぎて利益がでない。→今回の取引は、手数料が大きすぎて、利益がでない。
マージンとは、手数料や利益を指し印刷出版業界などでは、本における余白と言う意味になります。 - 会議を始める前にまずはマイルストーンを置く。→会議を始める前に、まずは中間目標を決めよう。
マイルストーンとは、プロジェクトを管理するための中間目標。かつて鉄道や道路などの距離(マイル)を計測する際、石を目印にしていたことが、マイルストーンの起源と言われています。 - 新規事業を成功させるために、どうマネタイズするか考える。→新規事業を成功させるために、どう収益化するか考えよう。
マネタイズとは収益を発生させるための計画。無料で提供しているサービスから収益につなげるための仕組みをマネタイズといいます。アプリ内の課金やネット広告などがこれにあたります。 - わが社にとってモアベターな選択をしていこう。→わが社にとってより良い選択をしていこう。
モアベターとはずっと良いこと、より良いことを指す。
ら•わ行のビジネス用語
- 急用が入ったので今日の会議は明日にリスケしましょう。→急用が入ったので、今日の会議は明日に予定変更しましょう。
リスケとはスケジュールを組みなおすことでリスケジュールの頭文字をとった言葉。金融業界では返済計画の見直しと言う意味があります。 - プロジェクトを成功させるにはリソースが足りない。→プロジェクトを成功させるには、金や人が足りない。
リソースとは資産資源を指す人、モノ、金など産業の元となるものを表す。アセットにも資産という意味がありますが、アセットは物だけで、価値のある資産を表すと言う点でリソースとは異なります。 - 会社の発展には、会社に対する社員のロイヤリティーが不可欠だ。→会社の発展には、会社に対する社員の愛着が不可欠だ。
ロイヤリティーとは、愛着心や忠誠心を指す。 - 新サービスですが、明日の朝一ローンチになります。→新サービスですが、明日の朝一開始になります。
- 当社では市場調査から宣伝までワンストップで対応します。→当社では市場調査から宣伝までここで全部対応します。
まとめ
あなたの聞いたことのあるビジネス用語はありましたでしょうか?
ビジネス用語を多用する人には、日本語で簡潔に要約してあげましょうね。
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